厄年とは ― 起源と歴史
厄年(やくどし)とは、人生の中で災厄が降りかかりやすいとされる年齢のことです。日本では古くから信じられてきた風習で、その起源は平安時代にまでさかのぼると言われています。陰陽道(おんみょうどう)の影響を受けて発展したとされ、室町時代には一般庶民の間にも広く浸透していました。
厄年は「数え年」で数えるのが伝統的な方法です。数え年とは、生まれた年を1歳と数え、以後お正月を迎えるたびに1歳を加える数え方です。現代の満年齢とは異なるため注意が必要です。一般的に、数え年は「満年齢+1歳」(ただし誕生日前は+2歳)として計算できます。当サイトのツールでは、この数え年の計算を自動で行っています。
男性の本厄は25歳・42歳・61歳、女性の本厄は19歳・33歳・37歳・61歳です。特に男性の42歳は「しに(死に)」、女性の33歳は「さんざん(散々)」と読めることから「大厄(たいやく)」と呼ばれ、最も注意すべき年とされてきました。本厄の前年を「前厄(まえやく)」、翌年を「後厄(あとやく)」と呼び、この3年間は慎重に過ごすべきとされています。
厄払い・厄除けの風習
厄年にあたる人が災厄を避けるために行うのが「厄払い(やくばらい)」や「厄除け(やくよけ)」です。一般的には、神社やお寺を訪れて祈祷(きとう)を受けます。厳密には、神社で行うのが「厄払い」、お寺で行うのが「厄除け」と区別されますが、現在ではどちらも同じ意味で使われることがほとんどです。
厄払いに行く時期
厄払いの時期については、いくつかの考え方があります。最も一般的なのは、年明けから節分(2月3日ごろ)までの間に行くことです。これは、旧暦では立春(2月4日ごろ)が新年の始まりとされていたため、それまでに厄を祓っておくという考えに基づいています。
ただし、必ずしもこの時期に限る必要はありません。多くの神社やお寺では一年中厄払いを受け付けていますので、ご自身の都合に合わせて無理なくお参りすることが大切です。初詣のタイミングで一緒に厄払いを済ませる方も多くいらっしゃいます。
厄払いの流れ
- 予約・受付:大きな神社では事前予約が必要な場合があります。受付で「厄払い(ご祈祷)をお願いしたい」と伝えましょう。
- 初穂料(はつほりょう):祈祷料の相場は5,000円〜10,000円程度です。のし袋に「御初穂料」と書いて納めるのが正式ですが、受付で直接支払う場合も多いです。
- 服装:特に厳しいドレスコードはありませんが、清潔感のある服装で行くのがマナーです。
- 祈祷:神主や僧侶による祈祷を受けます。所要時間は15〜30分程度です。
- お札・お守り:祈祷後にいただけるお札やお守りは、家の神棚や目につく場所に祀りましょう。
地域による厄年の違い
厄年は全国的に共通した風習ですが、地域によって独自の特色がある場合があります。
関西地方、特に大阪や京都では、厄年に「厄除けまんじゅう」をご近所に配る風習があります。これは厄を「食べてもらう」ことで分散させるという考えに基づいています。また、石川県や富山県などの北陸地方では、厄年の人が餅まき(もちまき)を行い、集まった人々に餅を配ることで厄を分けてもらう風習が残っています。
四国地方では、厄年に当たる年齢が他の地域と異なる場合があります。また、沖縄では独自の暦に基づく「トゥシビー」と呼ばれる厄年の概念があり、十二支の生まれ年が13年ごとに巡ってくる年を厄年と考える独特の体系を持っています。